大浜騒動1-8 資料を読む 付録 服部純より藩庁宛報告書


▲「資料 大浜騒動」(同朋大学仏教文化研究所・殉教記念会 編
貴重なる資料集が編纂されたので、1-1〜1-8まで掲載分はここから
引用した。)
服部氏が遺した文書を読む最後に、氏が所属する藩への報告書を付
け加えたい。彼の意志が素直に表明されていると考えられるのでここ
に紹介する。



・「藩庁宛報告書」から抜粋、

「仏法盛んにして浮屠(仏)権あり、有司威なし。いたずらに来世の
苦難をおそれ、現世の忠義を恐るるにいたる。妖僧みだりに未
来応報の説をもって良民を煽惑し、これが膏血を絞っておのれの
栄養に供す。・・・これを掃壌せずんば民皆業を栗ち産を没し
・・・」

 彼は、僧侶は社会の悪であり、一掃しなければならないと考えていた
のである。
 大浜騒動で、真宗僧等が危機感をもって決起に至ったことは、あながち
杞憂故とはいえなかったことが分かる。
 国学をまなび、革新の志に燃える官吏である服部氏は、このような考
えをもって、仏教寺院に対して厳しい態度で施策を打ち出していたので
ある。