シンプルなことが、わからない
どなたかがかいた随想のような
法語に、
こうしていまいる。
いきていることの有り難さを
いつのまにか
わすれてしまう。
というものがあった。
ひとしてうまれたことが有難い。
それが
みえるのは
ほとけさまだけだといってよい。
わたしたちは
ときに楽しいことがあれば喜び。
おもいのままにならぬ人生を憂うる。
幸せであってもこれが
いつまでつづくのかと不安になる。
この人生をえたことを
大切に思えとは、
ただ
仏がわたしたちに教える言葉として
存在する。
聴聞によって
みずからの傲慢さや
偏狭さに
気づかされることがある。
仏がはたらいて
仏の光がはたらいている。
そこから照らし出されるものが、
ここにいまあることの尊さ。