「神々の明治維新」

ぺらぺらと
取り出した岩波新書をめくる。
「神々の明治維新安丸良夫著。
維の神仏分離国家神道政策は
稚拙なもので、
暴力的なかたちで行われた。
それは当時の知識人たちには
たいした力をもつことはないものだと
思われていた。
しかし予想に反して、
仏教など既成教団に過酷なしめつけ
として作用した。


その政策に、
真宗門徒
他宗派にはない抵抗を示したという。


真宗は、江戸末期
仏法談義が盛んで
他宗との差異が顕著であった。
教えを聴聞し、
門徒うしのつながりを持っていた。
それがねばり強い
抵抗につながったと、
安丸氏はいう。


そうか、真宗門徒
江戸時代をとおしてその際だった
形態を保ち続けてきた。
すごい伝統があったということだ。




その政策はいまは止んだのに、
現在の日本人の精神に
影を
落としているという。
それを
「わたしたちの社会の過剰同調的
特質」と表現している。


現在のわたしたちの個や
社会のありかた
に影響を及ぼしている。



大谷派においては、
靖国など種々な問題を提起しながら
このような問題の全体像を深く問うことなく、
未消化のままにしてきた。