葬儀考

お寺の本堂で葬儀を行った。
簡素でしかもこころがこもった葬儀だった。


いまは会館での葬儀が大半を占める。
もう家やお寺での葬儀は希である。
だが、たまたま今回寺を会場とした。
この葬儀は、ゆっくりとした
語らいの時間もあり、
至極落ち着いて味わい深い式となった。
式のまえとあと
故人が友だちに支えられて生活していた様子
など、ほのぼのとしたエピソードが伝えれれた。


道具といって、そんなに必要なものはない。
焼香台と三具足のみ。
あと必要ではないが、生花が一つかざられた。
そして故人をこころから偲ぶ人々が集まれば
最高に厳かな儀式が行われ。
このほうがきっと
会葬者のこころにのこることだろう。
簡素で味わい深い葬儀。


世間体などに流されれば
一番大切なところが損なわれてしまうことになろう。