"老人介護"という場所

午前中、お参りに行って、
勤行をすませた後、お茶を頂きながら、
若い元気はつらつな、福祉介護士さんの
お嬢さんのおはなしを聞いた。
介護施設での様子を写した写真を見せてくれた
のだ。いい写真だった。)


ほんとうに、にこやかないい笑顔だった。
お嬢さんと会話をして一日をゆったり
すごす。
なかなかいいかもしれないな。
窓のそとには、みどりの芝が広がっている。


102歳でもつややかな、
ご老人がいる。
謡曲かなにかのお師匠さんだったとか。
みんないい笑顔で写真に写っている。

また、元海軍の、エリート。
消防士さんだった方。
俳句の大先生などなど、


いろんな人生の、それぞれの
活躍をおえて、ここでゆったり、
老後をむかえる。
おだやかな時間が流れていく。
だれもが迎える老境なのだ。


自分にとってもそう先のことではない。
十年ほどまえのこと、
訪ねてくれた、ご老人は45歳のあなたのとしから、
現在のわたしというものははなにもかわったとも思
わないし。
85歳の現在まで、それは、あっという間だったよ、と
教えてくれたっけ。
たしかにそうなんだ、この十年あっという間だったし。


最後にひとこと介護士さんは言った。
ご老人にむかって、
「ため口にならないよう注意している。」
と。
そうだよね、いくらぼけても若いもん
から、幼児のように扱われたら自尊心を
きずつけられるもんね。