雨の中を歩く

親がかぜで体調を崩す。
リンゴをすったり、
お粥をたいたり、
やったことないことだが、
案外うまくいった。


そのあと、

一色へ
お参りに行く。
続いて西尾だ。
全部で8軒。
雨のなか
をあるいておまいり。
春雨のなか
いい気持ちだ。


御経に正信偈のおつとめ
最後にお文を、ちから一杯読む。
「聖人一流の御勧化のおもむきは、
信心のもって本とせられそうろう。
そのゆえは諸々の雑行をなげすてて
一念に弥陀に帰命すれば不可思議の願力として
往生は治定せしめたまもう。
そのくらいを一念発起入正定之じゅとも釈し、
そのうえの称名念仏った如来わが往生を定めたまいし
ご恩報尽の念仏とこころうべきなり、
あなかしこ、あなかしこ。」


ここに生きているその今を、
自分の勝手な思いで
よし悪しと量ることなく、
その事実にたちかえれ。
と呼び返される。

仏陀は私にたいして
ああなればよく、
こうなれば悪いという
固執のこころ「雑行」を捨てること
だけを要求する。


ただ一つのことを命ずる。
ああなれば幸せだ、こうなれば不幸だという
思いに振り回されているものよ、
ただちに我が名を聞け。
その呼び声によって
その思いを超えたいきているその事実に
立ち返れと。
瑞々しく息づくいのちがそここあるのみ。