親鸞の正信偈

自我解放のうた 『親鸞正信偈』読書ノート 北畠著


論をすすめる前提となる自我について

自我一 三歳ごろ目覚める自我、感情の塊である自分。
自我二 五歳ごろ目覚める自我、損得、善悪、他者との関係を観るような自分。
自我三 前の二つの自分を見渡し、自分の生き方、生きる意味を考える自分。
    思春期頃目覚め、この自我は自分の本音を隠したり、人生経験を積み
    次第にしたたかに腹黒くなっていく。生き方についての思索をふかめ
    そして晩年になり、気力体力の衰えとともに、丸くなって、ほとんど
    のひとの人生はそこで尽きる。
自我四 前三つの自我を破って誕生する自我。自我の執着心を吹っ切る。
    三つの自我を丸ごと眺めることの出来る自我。
    従来の自我を特殊に超越する道がある。