青木新門氏講演全文掲載ー続

映画「おくりびと」がアカデミー賞にノミネートされ、
原作者であることを封印していたにもかかわらず、な
ぜか二月二十三日のアカデミー賞受賞の瞬間からマス
コミが殺到いたしまして、表に炙り出されまして、面
食らっている次第です。
 実は、この「納棺夫日記」という本を出しましたの
は一九九三年の三月でございました。その年の十月頃
だったと思います。本木雅弘君から電話がありまして
「じつは、僕は本木雅弘と申します」と。最初は娘が
電話に出ましたので、娘がすごく興奮をして「お父さ
ん、お父さん、モックンから電話」と言ってきたので
すが、当時の私は「モックンって何や」と言っている
有様でした。その本木君から電話がありまして「実は
私、インドの旅をしました。そしてべナレスというと
ころで写真をたくさん撮って非常に感銘をしたものだ
から、その時の本を出したいと思い、青木さんの本の
中にある文章を引用させていただきたい」という電話
でした。私はどうぞ、どうぞ、どこでも自由にお使い
下さいと言って電話を切りました。
 しばらくしましたら、写真集のような本が送られて
きました。見ましたら、本木君がガンジス河の中に足
を入れて、上半身裸になって、手の上に菩提樹の葉っ
ぱに蝋をつけ、火を付けて流そうとしている写真でし
た。
「蛆もいのちなのだ。そう思うと蛆たちが光ってみえ
た」という文章でした。私は驚きました。私の本の中
にいろんな事が書いてあるわけで、蛆が光って見えた
という文章を選んだということに驚きを感じました。

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