ブッダとともに丘の上から見える眺望

お釈迦様と弟子たちは、
雨期をのぞいて、10ヶ月以上は、
遊行していた。
何百キロという壮大な旅集団がブッダ
引き連れる仏教徒の集まりであった。


あるとき、
ブッダ
丘のうえまで弟子等さそった。
そこは川が上流から、下流まで見渡せる場所。
川は海に注ぎ込んでいるのが見える。


上流を指さして、
「流れてくる丸太をみなさい。」といい、
「川には島がところどこるにあり、
島に乗り上げた丸太は朽ち果てている。
あの島は私たちの人生における、怠惰や
嫉妬、怒り、種々の煩悩である。
乗り上げないように注意深く行けば
かならず大いなる海に出る。
海、深くすべてに分け隔てない世界仏の世界に
生まれ出るのだ。
あなた達は、人として生まれたのはブッダ
なること。そのような尊い生を完成せよ!
いっときの油断なく精進せよ。」
と説いた。


素朴な説教だが、
わたしたちはブッダのような遥かかなたまで見渡す視界を
持たない。
川を流れる丸太であるわたしにはほんの目のまえしか
みることが出来ない。
だから目の前の煩悩のほうが魅力的であったり、
そのことに執着心をおこして、すぐ島の乗り上げてしまうもの
なのだ。
それを罪悪深重というのだろう。
そんはものであるからブッダの視野を頂かねば
ひとたびの人生を朽ち果てさせてしまう。